阿弥陀仏の呼びかけ – Jr YBA 日本の旅

 

7月26日から8月4日までジュニアYBAの9名と付き添いの大人4名と日本を訪れました。これは3回目のジュニアYBA仏教教育の旅行で、1回目は2016年、2回目は2019年でした。

今回の旅の主な目的は、京都の本願寺の朝のお勤めにお参りし、青蓮院や比叡山など親鸞聖人ゆかりの地や、石庭で知られる龍安寺、正伝院、大仙院、龍源院など、京都の有名なお寺を訪れることでした。また、尼崎のお寺の保育園での太鼓演奏、東京の築地本願寺でお盆踊りへの参加も旅のハイライトでした。

寺院訪問のほか、広島の平和公園と宮島、青森のねぶた祭りを訪れ、平和や伝統文化を学ぶほか、プロ野球観戦をしたり、デジタルミュージアムのチームラボを訪れたり、宮崎映画の最新作を英語字幕なしで観たりして、エンジョイしてました。そして、美味しいものをたくさん食べ、中でも抹茶金時、クリーム入り玄米茶、桃とミルクなどのゴージャスなかき氷を堪能し、来年の洗心のお盆踊りでは、このようなかき氷を作ろうと感動してました。

気温は連日90度から100度近くになり、 暑いだけでなく湿度も高く、熱帯雨林にいるような暑さでした。多くの寺院などを巡り、1日あたり約2万歩、8~10マイル歩きました。スケジュールがタイトな日もあり、電車に間に合うよう、早足で歩いたり、時には走って電車に駆け込んだり、ホームからホームへ移動したりしました。

朝6時の本願寺での礼拝に出席するため、朝5時半に起床し、蒸し暑い気候の中をたくさん歩いたので、Jr.たちは疲れ果て、最初の数日間は両親にメールや写真を送ることもできなかったようです。けれども、これはバケーションではなく、むしろブートキャンプのようなものだったので、疲れ果ててよかったのです。おかげでよく眠れ、時差ボケもすぐに回復してました。ジュニアたちはすぐに気候やスケジュールにも慣れ、歩くのを楽しみ、コンビニに寄って、アイスクリームを食べたり、熱中症予防になるポカリスエットを飲んだりしてました。 

ジュニアたちは9月か10月の日曜日に、この旅行のスライドや学んだことを発表してくれるそうなので、楽しみにしていてください。 

 本願寺の朝のお勤めでは、讃佛偈と正信偈を上手にとなえていました。正座をしておつとめするジュニアもいました。読経の後、僧侶が日本語で法話をするのですが、彼らは静かに座って法話を聞いていました。 

ある朝のお参りの後、私はJr.たちのために法話の要約を英訳して話しました。そのメッセージは伝統的によくお話しされていることで、「なぜ阿弥陀仏の私たちへの呼びかけが、阿弥陀の名を呼ぶことなのか」という説明でした。私たちがとなえる「南無阿弥陀仏」は阿弥陀仏からの呼びかけでもあり、阿弥陀様の側からは「私(阿弥陀仏)に帰依しなさい」という意味で、その呼びかけに促されて、私たちは 「南無阿弥陀仏 」と称えることができるのです。「南無」とは「帰命」、または「帰依」することで、 

親鸞聖人は「教行信証」行巻で「帰命は本願召喚の勅命なり。」と言われ、「南無阿弥陀仏」とは「衆生に帰せよと命じる如来の呼び声」だとされます。 

 阿弥陀如来は本願の中で、阿弥陀如来におまかせして、「南無阿弥陀仏」と阿弥陀様の名をとなえる者を浄土に生まれさせると約束しておられます。南無阿弥陀仏「私(阿弥陀仏)に帰依しなさい」という呼びかけは、「そのままでいい」「私はここにいます、あなたは一人ではありません 」の意味もあると解釈されることもあります。 

朝のお勤めで法話をされた先生は、「なぜ阿弥陀様の呼びかけが阿弥陀様の名前なのでしょうか 」と問われました。普通、呼びかけであれば、助けを必要としている人の名前を呼ぶからです。 

先生はご自身の体験談を交えてこのことを説明されました。先生の娘さんが幼い時、重い病気にかかって病院に運ばれたそうです。病院では、最初娘の名前を呼んだそうです。「ゆうこちゃん、大丈夫?」「ゆうこ、聞こえる?」しかし、何度声をかけても、名前を呼んでも、娘さんは返事をしなかったのです。それで、先生は娘の名前を呼ぶのをやめて、自分の名前を呼んだと言います。「お父さんだよ」。「大丈夫、お父さんはここにいるよ。」娘にそう言ったとき、これは阿弥陀様の呼びかけと同じであることに気づかれたそうです。人の安心や平穏を心から願うとき、私たちは自然と、自分の名前を呼びかけとして発するのです。そういう理由で、阿弥陀仏の呼びかけは阿弥陀仏の名、「南無阿弥陀仏」なのです。 

ジュニアたちに先生の体験談と阿弥陀仏の呼びかけの説明をしたのですが、あんまり納得している様子ではありませんでした。私も若いときにこの説明を聞いた時は、あまり理解していませんでしたが、のちに親になると、この阿弥陀様の呼びかけの説明をより理解できるようになりました。将来、ジュニアたちが大人になったときに、阿弥陀様の呼びかけの説明がわかるようになるでしょう。また今回の旅行で日本で学んだことは、浄土真宗の教えの理解を深めてくれると思います。このJr YBAの旅をサポートしてくれたお寺のメンバーに感謝します。 

南無阿弥陀仏