おかげさまで70周年

古本龍太

 

あけましておめでとうございます。

2020年は約9ヶ月間、お寺に集まることができませんでした。最後に日曜のお参りに集まったのは、3月8日でした。お参りの後には、海野徹雄先生の長年の洗心メンバーへご指導をくださったことに感謝して昼食会を行いました。それ以来、日曜日にお寺に集まっていません。けれども2021年には、コロナの感染状況が縮小か収束され、また集まって、一緒に聴聞をし、お話をし、食事をし、お寺のイベントの手伝いなどをすることができるようになるでしょう。

2021年は私たちにとって節目の年です。お寺が独立してから70周年の年を迎えるのです。1951年5月、洗心寺はロザンセルス別院から独立して、一つのお寺になりました。別院のブランチとして発足したときから数えれば、83年になります。

ロサンゼルス別院の開教使大野柔忍師が、1928年に現在のお寺の近くに日本語学校の洗心学院とダルマスクールを設立したのが始まりです。場所はW・36th place 1239番地でした。お寺の門の横の壁にブロンズのプレートが掲げられているのをご存知でしょうか?”Senshin Buddhist Church 1937″と彫られています。しかし、これは洗心の創建が1937年という意味ではありません。1937年、1世たちは洗心学院を移転して、W・36th place 1336番地に新しい建物を建設しました。その建物は現在のソーシャルホールです。

私たちはこの場所で83年間、念仏の教えを伝え、サンガシップを育んで活動してきました。2021年は、独立したお寺になってから70周年になります。

「独立したお寺になった」とは言いますが、仏教的には「独立した」ということはなく、すべてはお互いに依存しているので、本当の心持は、「独立しているけど他に依存しているお寺」となります。

そして70周年は他の方々に感謝するご縁としていきましょう。まず阿弥陀さま、お釈迦さま、親鸞聖人、そして多くの浄土教の祖師方のおかげで、浄土真宗ができ、そのみ教えは米国に伝わりました。そして、LA別院のお陰で洗心学院とダルマスクール学校を設立することができ、一世、二世のパイオニア方のお陰で本堂をはじめとする建物を持つことができ、三世、四世の子孫方、そしてその他の新入会員方のお陰でお寺を護持し、活気のあるサンガを作っていくことができました。そして、近所の方、友人や、ロサンゼルス、南カリフォルニア、そしてBCAの他の寺院と、Jr.YBA. 婦人会、YABA、太鼓会、雅楽会などで交流できたことで、私たちのお寺のカルチャーが形づくられてきました。深い理解をされる仏教徒にとっては、第二次世界大戦中の困難な状況の中からでも何か良い部分を見つけ。感謝される方もおられることでしょう。

私たちは、独立寺院となりましたが、独立した後も、他の人や団体の助けやサポートによって存続してきたのです。そのことを忘れず、70周年の年には、他に感謝し、「おかげさま」ということを思いましょう。”お蔭様で70周年を迎えることができます” と言って感謝を表しましょう。おかげさまの「かげ」とは、「影」で、それは目に見えないものや気づかないものを意味します。目に見える多くの方々のご支援と私たちが気づかない、多くの方々のサポートのおかげで、70周年を迎えることができるのです。

浄土真宗は他に感謝することを勧める教えです。阿弥陀仏に始まり、家族、友人、先生や他の生き物など、すべての人に感謝していきます。

2021年こそはお寺に集まって、70周年を迎えてお互いに感謝できるといいですね。

南無阿弥陀仏