念仏の香り

最近、日曜日のお参りでは香炉の蓋をとるようにしています。蓋がないほうが、お焼香しやすいということもありますし、最近、お焼香するときに使っているお香が高価なものだと知ったからというのもその理由のひとつです

今年の夏、日本を訪れた際に、京都の西本願寺の向かいにある薫玉堂というお香の専門店に行きました。マス先生がお香をお布施してくださるということで、先生からあるお香を買うように頼まれました。そのお香は非常に高価で、約1ポンドで約550ドル、テーブルスプーン1杯(15グラム)で約17ドルもします。

お香の質が高いので、やはり値段も高いです。それで、その値段を聞いて、香炉の蓋を開けることにしました。蓋をしていると、香りが蓋に吸収されているように見えてもったいないと思ったからです。

また、以前は、お香を焚く時に炭の代わりに、線香を燃やすことが多かったのですが、線香は550ドルのお香に比べると安いので、香りを混ぜると、価値が下がってしまうようにも思えてきました。ですから、今では、炭を使って高価なお香の純粋な香りを十分に楽しめるようにしています。

お香を焚く目的の一つは、仏さまによい香りをお供えすることで、それは仏さまに尊敬を表すことです。尊敬する気持ちが大事なので、お香の値段についてあまり言わない方がいいのですが、よく炭の周りに燃えてないお香が残っていることがあり、それはもったいないので、お香はぜひとも直接炭に置いて燃やして、仏さまによい香りをお供えするようにしてください。

これらの理由から、最近は、香炉に炭を入れ、蓋を開けた状態でお焼香するようにしました。これにより、皆さんが焼香をしやすくなりましたし、より一層香りを楽しむことができるようになりました。お香の香りが本堂全体に広がり、本堂の柱やお参りされる方の衣服に染み込みます。

本堂にいると良い香りが身につくように、親鸞聖人は、教えを学ぶにつれて私たちに、念仏の香りが身についていくと言われています。

かぐわしい念仏の心をもっている人は、 その身から智慧の香気を放っているようである。 このように香気で飾られていることを、香光荘厳(こうこうしょうごん)、と申しあげるのである。(浄土和讃116、現代語訳)

ここで「香光」と言われている「光」とは仏様の智慧や教え、仏法を意味します。親鸞聖人は、教えを聴聞する人にはお念仏の香りが育まれるとお示しくださっています。お念仏の香りとは、教えを聴き、念仏をとなえる中で自然と身についていく、謙虚さや他者への尊敬、感謝の気持ちなどです。

これからも教えを学びつづけ、念仏の美しい香りを放てるような念仏者になっていきましょう。

 

南無阿弥陀仏